自然とともに100余年・歴史ある果樹園

白木果樹園

暑い夏の日も、寒い冬の日も、一生懸命に農業!

 

 
1月
 
お正月休みもそこそこに、年末から始まった土佐文旦の収穫を、年明け早々から行います。
美味しくなれ美味しくなれ、と気持ちを込めて、文旦を野囲いの室へ寝かせます。

 

 

2月
 
土佐文旦の出荷が始まる少し前に、山の畑に熟成させている野囲い場から文旦を出します。
早春の暖かさの中で、辺り中文旦独特の香りが漂います。
山によっても場所によってもお届けするベストな時期が違うので、熟練の目で判断しながら、順番に山から下ろします。
 
2月は土佐文旦発送の最盛期なので、お客様のご来園や取材も多く、園主は目が回るような毎日です。
 

 

 

3月
 
ハウスの中では、水晶文旦と温室土佐文旦の受粉交配作業が行われます。
ブンタンに付ける花粉は小夏の花粉を利用してます。
小夏の花蕾の明日咲くという開いていない蕾を、ひとつひとつ気が遠くなる様な数を取り、黄色の葯だけ採りだします。
文旦類は、自分の花粉では受粉しにくい特質があり、他の柑橘類(小夏や八朔)などの花粉を付ける必要があります。
耳かきの反対側にある梵天という羽毛の部分を使い、受粉交配作業をしていきます。
ひとつひとつの花の雌しべに付ける作業は、根気のいる作業です。
 
この時期は、土佐文旦の出荷作業や剪定作業も行いながらですので、ネコの手も借りたいほどの忙しさです。

 

 

4月
 
ぶんたん山の麓では、当園専属の養蜂屋さんが巣箱を設置してくれます。
5月になると、辺り一面文旦の花が咲くので、その蜜を蜜蜂に集めてもらいます。
6月の上旬には、土佐文旦のお花の蜂蜜をお届けしています。
 
ハウスの中では、水晶文旦と温室土佐文旦の摘果作業が行われます。
1回目の摘果では、大きくて形が丸いもの、傷が無い物をひと枝一個残します。
2回目は、どの枝の実を残すか?という選択の摘果になります。
摘果作業は全部で3回行うので、商品としてお届けする果実は超優等生です。
 

 

 

 
5月
 
土佐文旦の受粉交配作業が始まります。
ブンブンとミツバチの羽根の音がする中、人工受粉をします。
咲いた花に全部付けると共倒れになるので、花の中から選んで付けていきます。
 
夏ぶんたんは、2度目の収穫作業を行います。
夏ぶんたんは、大きくなった物から順番に収穫していくので、小さい物は大きくなるまで成らしたまま樹上でおいておくという、珍しい収穫方法です。
 
ハウスの中では、水晶文旦と温室土佐文旦の最終摘果作業をします。
思い切ってのけないと、小玉ばかりになり、来年も実が成らなくなります。何年経っても、気合が入る作業です。

 

 

 
6月
 
梅雨空の中、土佐文旦の摘果作業が始まります。
一次摘果作業と剪定作業は、慌てても終わりません。毎日コツコツと続ける事が大事です。
合羽を着ての作業はとても大変です。山の中は、ラジオだけがお友達です。
 
ハウスの中では水晶文旦に黒いストッキングを被せる作業をします。
太陽の光を吸収しやすくするため、また、日焼け防止のためですが、一つひとつの果実にとても手間のかかる作業です。
そして、水晶文旦と温室土佐文旦に肥料ふり。味をのせるための、隠し味です。
晴れた日にはハウスの中は暑いをとおり越して、熱いほど。灼熱です。

 

 

7月
 
土佐文旦の摘果作業は続いています。
枯れ枝の下の果実は、茶色く傷がついています。これは間引いて除けます。
全ての果実を一個一個丁寧に、枯れ枝を削除していく作業をして、良い果実を作ります。
一個の果実を美味しく大きく育てるには、100枚から120枚の葉っぱが必要です。
葉っぱは太陽電池の役目をし、太陽の光をたっぷり受けて、栄養を果実に蓄積します。
 
夏ぶんたんの剪定作業をしながら、前回収穫時に小さくて残していた実の収穫も同時進行します。
夏ぶんたんは、これが最終便になります。

 

8月
 
ぶんたん山の草刈りに大忙し。やってもやっても終わりません。
ひと通りできたと思ったら、最初の方に刈った場所はもう雑草が伸びています。
 
 

 
9月
 
土佐文旦2回目の摘果作業。
もうすでに8cmになっていますが、2分の1の量に落とします。そうしないと果実が大きくなりません。
 
ハウスの中では、水切りをして水晶文旦と温室土佐文旦の糖度アップ中!
水切りをすると、樹体内の水分が少なくなり濃縮されます。それと同時に果実も濃縮され、糖度アップになります。
 
そして、水晶文旦の収穫も始まります。
水晶文旦は、花が咲いて210日前後で収獲します。
本来文旦類は、樹成りでならしておけばおくほど濃縮されて甘くなり、コクもでますが、この水晶文旦だけは収穫時期がずれると味が変わります。
酸味が戻り酸っぱくなったり、果肉が米粒の様に固くなったりとデリケートな果実です。
210日で収獲しなくてはならないので、青いまま採り、熟れてないように思いますが、中身はしっかりと熟しています。

 

 

11月
 
ハウスの中では、温室土佐文旦の収穫作業が行われます。
 
1980年2月27日にマイナス7度の大寒波が襲来し、高知県下の露地物の土佐文旦の樹が枯れました。
当園も大被害にあい、殆どの樹が枯れてしまいました。
その後寒波被害避けとしてハウス施設を取り入れたのが温室土佐文旦の始まりです。
同じ時期に私を含め3軒の農家が栽培を始めましたが、当園以外は辞めることに。当園の温室土佐文旦の栽培が一番古い施設となっております。
 

 

 

 
12月
 
年末になると、土佐文旦の収穫が始まります。

収穫した文旦は、野囲いといって樹の下に穴を掘り、ポリを敷いてその中に貯蔵して、熟成(追熟)させます。
収穫したばかりの果実は、酸味と甘味が喧嘩しあってますが、追熟させる事により、ブレンドされてバランスの良い味わいに仕上がります。
収穫した文旦を、ここで1~2ヶ月程追熟をさせて出荷します。甘みと酸味のバランスが良くなり、風味も一層引き立ちます。

ゆっくりじっくり自然を利用しての恵みです。